すると雅人君が突然言った。

「健斗、久しぶりだな。健斗が居なくなってもう2年半経つな。時間って経つの早いな。実は、今日来たのはもう分かってると思うけど健斗に伝えたい事あるから来たんだ。実は、今由梨ちゃんと付き合ってるんだ。健斗は、俺と由梨ちゃんが付き合って嫉妬するよな。でも、俺由梨ちゃんの事を幸せにしてあげたいんだ。だからいつか分かってくれな。必ず、由梨ちゃんの事幸せにして見せるから見ててな。じゃあ、由梨ちゃん俺は健斗に話終わったから次は、由梨ちゃんの番だよ。俺は、下に降りとくからゆっくり健斗と2人で離しておいで」

私は、その言葉を聞いて嬉しかった……

“必ず幸せにする”

私は、その言葉だけで安心出来る。

私、雅人君となら幸せになれる。

そう思っていた。

だから次は、私の番だね。

私もお兄ちゃんにいっぱい離したい事がある。

2人っきりにしてくれたのもきっと雅人君の優しさだよね。

私は、前そんな雅人君が好きだった……

私は、あの時の事を思い出した。

そしていつしかお兄ちゃんの事を好きになった。

あの時は、本当に信じられなかったなぁ。

まさか私がお兄ちゃんを好きになるって思いもしなかったから。

でも、今も本当にお兄ちゃんの事が大好きなんだぁ。

それにお兄ちゃんは、私の幸せを願ってくれてる。

だからこそ私は、幸せになりたい。

そう思った。

「うん。雅人君、ありがとう。じゃあ、ちょっと待っててね」

「おう。気が済むまで話して来てな。俺、下でずっと待ってるから」

雅人君は、そう言って下に降りた。

そして私は、お兄ちゃんの墓の前で座り込んだ。

そしてお兄ちゃんの墓に触れた。

お兄ちゃんに触れたのは、久しぶりだ。

ここにお兄ちゃんが居る……

懐かしいお兄ちゃんの臭いが近くから感じた。

やっぱり今、お兄ちゃんはここに居るんだね……

そう思うとまた、涙がいっぱい溢れて来た。

「由梨、泣かないで……」

どこかで聞き覚えがある声……

その声は、雅人君じゃない……

あの声は、あの温かい声は、私の大好きなお兄ちゃんの声……