「雅人君、ごめんね……私、私の事支えてくれる人の事考えてなかった……ただ、自分が苦しくて生きる事から逃げていた。生きる事から逃げちゃいけないよね。うん、そうだよね。だから雅人君、私をその事に気づかせてくれてありがとう……」

私は、雅人君にお礼を言った。

「うん、いいよ。やっとその意味が分かってくれたんだね。今は、辛いかもしれない。でも、俺は由梨ちゃんをずっと支えてあげようと思う。もちろん由梨ちゃんが幸せになるまで……」

えっ、それって……?

どういう意味?

「それってどういう意味? 」

私は、首を傾げた。

「俺は、まだ由梨ちゃんの事が好きなんだ……何度も諦めようとした。由梨ちゃんが健斗を今でも好きって分かってるけど……でも、俺はそれを受け止めてあげたいと思うから。だから俺が由梨ちゃんを幸せにしたい……だから俺と付き合って下さい……」

雅人君は、照れくさそうにでも、真剣な表情で言った。

雅人君がまだ、私の事を好き?

だって私、散々皆を振り回したし今だってあんな無神経な事をした。

それなのに私を好きって……?

雅人君の気持ちは、嬉しい。

でも、私はまだお兄ちゃんの事が好きで……

だからこれから先、雅人君を傷つけるかもしれない……

「気持ちは、嬉しいよ。ありがとう……でも、私はまだお兄ちゃんの事が好きだから雅人君をいっぱい傷つけてしまう……それに雅人君は、私にはもったいないよ。だからもっと私よりいい人を見つけて」

私がそう言うと雅人君は、「それでもいいから……健斗をずっと好きでもいいから……
そんな事ない。由梨ちゃんは、一途で優しくて可愛くて素敵な女の子だよ。それに俺は、由梨ちゃん以外の人好きになろうとしも好きになれないんだ。俺は、由梨ちゃんがずっと好きだから……だから俺と付き合って下さい」と言った。

雅人君から“付き合って下さい”って言う言葉は、3回目。

それに雅人君は、こんな私を好きで居てくれる。

それにこんな私の事を可愛いって言ってくれる。

それに雅人君なら私を幸せにしてくれるかもしれない……

お兄ちゃん、雅人君ならいいよね?

「はい……」

私は、顔を真っ赤にしながら言った。