俺は、もう何も聞こえなかった……

俺は、起き上がった。

あれ、生きてる?

俺は、そう思った。

でも、目の前に写る光景は血まみれで倒れている俺に由梨が必死に泣きながら俺の名を呼んでる事。

俺は、その光景を見て痛々しかった。

ああ、俺やっぱ死んでるんだ……

って事は、俺今幽霊なんだ。

ああ……

でも、由梨が無事でよかった……

でも、由梨そんなに泣かないで……

泣かれると辛くて仕方ないんだよ……

だから泣くなよ……

俺は、つい泣いてしまった……

俺だって本当は、死にたくなかった……

由梨とこれから遊園地行くの楽しみにしてたのに……

それにクリスマスだってまだ、来てないのに……

プレゼントだってまだ、渡してないのに……

後悔がいっぱいあった。

俺がちゃんと前を見ていればよかった……

俺は、ずっと由梨を見て居た。

由梨は、病院に行っても泣いてた。

母さんも父さんも旅行中だったけど、病院に来て泣いてた。

母さんは、ずっと泣いてる由梨を励ましてた。

なぁ、由梨。

俺、由梨が泣いていると心配で仕方ないんだ……

だから俺の事で自分を責めるなよ……

悪いのは、全部俺なんだから……

だからいつも通り、しろよ。

じゃないと俺、心配であっちの世界に行けないんだよ……

でも、まだ俺はあっちの世界には行きたくない……

まだ、遣り残してる事があるから……

だからそれが済むまで俺は、あっちの世界に行かない……

ずっと由梨達を見守っとく……

だって俺には、それしか出来ないから……