「うん。お兄ちゃんも想像してたんだ。うん、楽しみに待っててね」

私は、言った。

「おお、そうだな。じゃあ、遊園地行くか」

「うん」

私とお兄ちゃんは、家から出た。

お兄ちゃんの自転車に乗って遊園地へ向かった。

私は、しっかりお兄ちゃんに捕まった。

「由梨、結構遊園地遠いから飛ばすからしっかり捕まっとけよ」

「うん」

私は、更にギュッとお兄ちゃんに捕まった。

「じゃあ、行くからな」

お兄ちゃんは、そう言って漕ぎ出した。

まさかこれが最後かと思わなかった……

「早い~。気持ちいいね」

「おう、そうだな」

「お兄ちゃん、何か私達冬に遊園地行くなんて季節はずれだよね」

「だよな。でも、寒くても手繋いで居れば温かいよな」

私もそう思った。

お兄ちゃんと一緒なら寒くても私は、平気。

でも、お兄ちゃんの手は暖かいよね。

私は、お兄ちゃんの手が暖かくて好きなんだ。

お兄ちゃんと手繋いでた落ち着くんだ。

「うん、そうだね。お兄ちゃんの手って暖かいよね。だから私、落ち着く」

私は、お兄ちゃんを抱きしめた。

「由梨……」

お兄ちゃんは、突然後を振り返った。

私は、前を見た。

車こっちに来る……

「お兄ちゃん、前」

私は、大声で言った。

ドン―

その時、もう遅かった……

私は、ちょっとだけだったからちょっと足を刷っただけだった。

私は、お兄ちゃんの方を見た。

血まみれで倒れているお兄ちゃん……

私は、その光景を見て信じられなかった……

時間が止まったように静かだった……