ヤベ

確かもうチャイム、鳴るんじゃ……?

「由梨、もうチャイム鳴るぞ。急ぐぞ」

「うん」

俺と由梨は、急いで走った。

「じゃあ、放課後な」

「うん」

俺は、由梨と別れて急いで階段に上がって教室に行った。

教室に入ると先生は、居なかった。

セーフ

席に着くと雅人が後ろから声、掛けて来た。

「健斗、今日は遅刻だけどまさかサボってた? 」

「おう」

俺は、言った。

「もしかして由梨ちゃんと? 」

何で分かるんだ。

雅人のやつ勘が鋭いな。

どうすればいいんだ。

由梨と何か言ったら雅人、何て思うか?

「えっとな……」

「誤魔化さなくていいって。俺、由梨ちゃんにキッパリ振られたし大丈夫だって。それより由梨ちゃんと付き合う事になったんだろ? よかったな。おめでとう」

何で俺と由梨が付き合ってるって事が分かるんだ?

俺、まだ雅人に何も言ってないのに……

「何で分かった? 」

俺がそう言うと雅人は、「最初から分かってたよ。健斗は、まだ由梨ちゃんを好きって事も由梨ちゃんが健斗を好きって言う事も。だから俺は、わざとこうして2人をくっつけさせようとしたんだ。でも、由梨ちゃんを好きなのは本当だけどね」と言った。

えっ、わざと?

じゃあ、今まで俺に相談したのは何だったんだ?

って言うか俺がまだ、由梨を好きなのを知ってて……

どれだけ勘が鋭いんだ。

恐ろしい……

「雅人、お前どんだけ勘が鋭いんだよ。って言うかわざとだったのか? 俺が悩んでたのは、何だったんだよ」

俺は、言った。

「だってそうでもしないと2人は、なかなかくっつかないだろ。それに俺は、最初から出る幕ないから諦めてた。2人が両思いなのに割り込む訳には、行かないだろ。でも、最終的にうまく行ってよかったよ」

雅人が言った。