由梨は、ハートの背景を選んだ。

「由梨、手」

俺は、由梨に手を差し伸べた。

由梨は、差し伸べた手を握ってくれた。

「ちゃんと笑えよ」

「当たり前」

俺と由梨は、笑顔で取った。

ずっと手を繋いだまま何枚か取った。

撮影が終わって落書きコーナーに移った。

「由梨とプリクラ撮るのは、2回目だな。由梨とのプリクラが増えて嬉しいよ」

俺は、言った。

「男なのに変ってるね。プリクラが嬉しいって」

由梨がそう言うと俺は、「いいんだって。由梨との思い出が増えるから」と言った。

「私もお兄ちゃんといっぱい思い出、作りたい」

由梨もそう思ってくれたんだ。

俺は、嬉しかった。

俺も由梨といっぱい思い出、作りたい。

だから2人でいっぱい思い出、作ろうな。

「2人で思い出、いっぱい作ろうな」

「うん、約束ね」

俺と由梨は、2人で約束した。

由梨、あの約束守れなくてごめんな……

でも、仕方なかったんだよ……

ああするしかなかったから……

俺と由梨は、最初から結ばれたらいけなかったのか?

神様は、本当に意地悪だな。

こうなる事を知って俺と由梨をくっつけさせたのか?

だったらやめてくれよ。

俺は、ずっと由梨と一緒に居たかった……

ただ、それだけなのに……

俺だって本当は、由梨とずっと一緒に居て幸せになりたかったよ……

でも、こうなる運命だから仕方ないよな。

でも、由梨は傷ついたよな?

本当にごめんな……こんな俺で……