「可愛い事ばっか言ってないよ。襲うのは、禁止」

由梨がそう言うと俺は、「由梨のケチ」と言った。

「それより私達、もう遅刻じゃない? こんなにのんびりしてるし……」

そう言えば、学校あったんだっけ?

楽しくてつい時間を忘れてた。

由梨が隣に居てくれるから幸せだったから。

時間を忘れるほど、幸せだったんだな、俺。

今は、由梨とこうして隣に居れるだけですごい幸せ。

俺って今、ハッピーだな。

「そう言えば、学校だったな。幸せすぎて忘れてた」

俺は、言った。

「大げさだよ。私の方が幸せすぎて困るもん」

由梨が俺に言い返した。

大げさじゃない。

本当に幸せだから……

それに由梨より絶対俺の方が幸せだって。

だって俺は、ずっと由梨の事が好きだったから……

それに困ってるのは、俺。

由梨が可愛すぎて時々、我慢出来ない時もある。

でも、俺は我慢してる。

自分で言うのは、何だけど我慢してるから俺って優しいじゃんって思う。

って俺、自意識過剰だな。

そんな事、当たり前なのに……

「大げさじゃないって。由梨の事が好きだからだよ」

俺がそう言うと由梨は、「どっちもどっちじゃん」と言った。

由梨って良い事、言う。

確かにどっちもどっちだな。

それにこのままじゃ言い合いになるな。

「由梨、良い事言うな。ってかもう俺等、遅刻だな。このまま2人でサボろうか? 」

俺は、言った。

「えっ、でもサボるって? 」

ん、屋上は入ったら行けないからな~。

やっぱサボると行ったらゲーセンしかないだろ。

「サボルと行ったらやっぱゲーセンだろ」

「でも、お母さん買い物行くかもしれないよ。その時、ここ通るし……」

由梨が言った。