「健斗、決まってるな。女子にジロジロ見られてるぞ。カッコ良いって。よかったな」

タキシードを着た雅人が俺に言った。

「真島君、カッコ良い」

通りでジロジロ見られてた訳か。

でも、雅人にはやっぱ敵わない。

って言うか俺より雅人の方が100万倍カッコ良いんですけど。

俺より雅人の方が背高いし、顔も良いし、頭良いし……

そりゃー、女子によくモテるよな。

雅人がよくモテる理由がよく分かった。

「いや、俺何かよりも雅人の方がジロジロ見られてるから。それに雅人の方がカッコ良いって言われてるぞ」

俺がそう言うと雅人は、「気のせいじゃない? 俺、ジロジロ見られてないよ」と言った。

いやいや、気のせいじゃないから。

充分、女子に見られてるから。

あいからわず雅人は、鈍感。

自分のカッコ良さに気づいてないって言う事か。

良い性格してるな。

本当に雅人を見習いたい。

「まぁ、いいや。取り合えず、お互い頑張ろうな」

「おう、頑張ろう」

雅人が言った。

「文化祭、始まったぞ。くれぐれも笑顔だ。お客さんには、しっかりサービスしろよ」

担任が言った。

俺は、後半だから先に由梨の所に行こっと。

雅人は、前半だから行けれないな。

陽介でも誘うか。

いや、待てよ。

陽介も午前だったな。

って言う事は、俺1人って訳か。

虚しい……

まっ、いっか。

雅人は、さっそく指名されてるし声かけれない。

俺は、何も言わずに由梨の所に行った。

結構多いな。

由梨は、男に色目使われてた。

「俺の妹に何かようですか? 」

俺は、言った。