もちろん行くに決まってるだろ。

由梨のメイド姿、見えるなら。

他の女のメイド姿は、興味ないけど……

「もちろん行くって。だから由梨も来てな」

「私、お兄ちゃん指名するからお兄ちゃんも私を指名してね」

由梨が言った。

雅人は?

雅人じゃなくて俺?

「雅人じゃないの? 」

俺がそう言うと由梨は、「お兄ちゃんを指名するの。若葉と一緒に行くからね」と言った。

何かそれって嬉しい。

雅人より俺を指名してくれるって事が。

雅人には、悪いけど……

まぁ雅人は、このぐらいで怒らないよな。

取り合えず、由梨が着てくれるならホストでもいい。

早く文化祭の日にならないかな?

楽しみだな~。

俺は、肝心な事を忘れていた。

文化祭当日―

今日は、いよいよ文化祭。

今まで準備して来たためにも文化祭を必ず成功させる。

早く由梨のメイド姿、見たいな~。

俺は、この事しか頭に入ってなかった。

雅人と約束した事をこの時、完全に忘れていた。

「じゃあ、由梨また後でな」

「うん、また後でね」

俺は、由梨と別れて教室に行った。

教室に入るともう皆、居た。

着替えてる人が多かった。

俺も早く着替えないとな。

俺は、タキシードに着替えた。

よしっ、こんなもんか?

鏡、ないしな。

何か俺、ジロジロ見られてるような?

まぁ、気のせいだよな?