だから……

「いや、遠慮するなって。とにかく俺にまかせろよ」

俺がそう言うと雅人は、「悪いな。この借りは、ちゃんと返すから」と言った。

借りなんかいらねぇよ。

雅人は、よく俺にしてくれてるしこれぐらい当たり前だ。

「借りなんかいらないって。とにかく雅人は、文化祭の事だけ考えとけよ。じゃあ、俺帰るから。またな」

「おう、またな」

俺は、教室から出て行って由梨のクラスに行った。

「由梨、帰ろ」

俺は、言った。

すると由梨は、首をブンブン降っていた。

プッ

「何て言う表情してるんだ」

俺は、つい笑ってしまった。

「笑うなんてひどいよ」

由梨がそう言うと俺は、「だって事実だろ。それより早くしないと置いて行くぞ」と言って走った。

「待ってよ」

由梨もそう言って追いかけて来る。

俺は、後ろを振り返った。

すると由梨が床に尻持ちついた。

ゲッ

「白井兄弟、何している? 廊下は、走るな」

「先生、すみません」

俺は、そう言って由梨の手を引いて逃げた。

「こらっ、白井兄弟廊下は走るな。おい、誰か白井兄弟を捕まえろ」

先生は、顔を真っ赤にして必死に俺と由梨を追いかける。

皆、先生を見て笑っていた。

皆のおかげで何とか逃げ切った。

由梨の方を見ると由梨は、走ったせいか息切れしていた。

「由梨、大丈夫か? 」

俺がそう言うと由梨は、「お兄ちゃんのせいでしょ」と言った。

「ごめん。許して」

俺は、手を合わした。

「アイス奢ってくれるなら許してあげるよ」

由梨が言った。