放課後―

文化祭が無事終わって私は、制服に着替えた。

「若葉、じゃああれ言ってくるね」

「うん、頑張って。じゃあ、私先に帰ってるね」

若葉が言った。

「うん、頑張るよ。帰ったら報告するね」

私がそう言うと若葉は、「うん、待ってるね」と言った。

「じゃあ、バイバイ」

「うん、バイバイ」

私は、裏庭に来た。

お兄ちゃんは、まだ来てなかった。

「ごめん、遅くなって」

雅人君が来た。

えっ、雅人君がここに何で?

「何で雅人君がここに? 」

私は、言った。

「えっ? 健斗が由梨ちゃんが俺に話があるから裏庭に来てって健斗から聞いたけど……」

何で?

私、お兄ちゃんに話あるって言ったのに……

「ごめんね、雅人君。私が話あるのは、お兄ちゃんなんだ。じゃあ、帰るね」

私は、帰ろうとした。

「待って」

私は、雅人君に引き止められた。

「えっ、何? 」

「俺、由梨ちゃんの事、好きなんだ。由梨ちゃんが健斗の事、好きって分かってるけど……」

雅人君が言った。

えっ、雅人君が私の事好き?

私は、後ろを振り返った。

雅人君は、切ない表情をしていた。

でも、私はお兄ちゃんの事が好き……

だから雅人君の気持ちに答えられない……

「ごめん……私は、お兄ちゃんが好きだから雅人君の気持ちに答えられないよ」

私は、言った。