どう言えばいいだろう。 「行かないで」なんて突然言うのも変だ。 「傍に居て」なんてもっと言えない。 「二人で話せない?」 ふと、冬馬兄ちゃんが言う。 「終わってからでいいから」 ちらりと麻実ちゃんたちの方を見る。 こっちには気付いていないようで、みんなで楽しく笑っている。 「ずっと居るから」 私は小さく頷いて元の場所に戻る。 「家に居るよ」 そんな言葉を聞きながら。