告白された、と素直に話した。
名前も知らない男の子から突然に、と。
正確には、名前を知ったあとに告白されたんだけど。
話を聞き終わった麻実ちゃんがため息混じりで言う。
「遊ばれただけじゃないの?」
「そう、なのかなぁ……」
確かに良明くんは見た目フリョーっぽい感じだった。
髪の毛も少し茶色かったし。
「んで?そいつの名前は?」
「佐藤 良明。俺だよん」
ぎゃっ、と言う麻実ちゃんの小さな悲鳴。
私も驚き、持っていたおにぎりを落としそうになった。
突然後ろから声をかけられたら誰だってビックリする。
彼、良明くんは突然現れた。
いつから私たちの話を聞いてたのかはわからないけど……。
「俺と付き合わない?俺マジで美和ちゃんに惚れてんだー」
何こいつ?と言うような目で良明くんを見る麻実ちゃん。
私も同じ顔してたかも。
でも良明くんは笑ったまま「ね?」と続けた。
「今さー食事中だから後にしてくんない?」
苛立った様子の麻実ちゃん。
確実に怒ってる。
「じゃーまた後で来るよ」
麻実ちゃんのそんな様子など全く気にせず、良明くんは自分のクラスに戻っていった。