悠斗が諦め顔で唇の端を引いた。

「どうやらそんな気はないみたいですね」

そう言って、悠斗は可奈子さんの手を握り、車の方へと歩き去った。

軽くクラクションを鳴らし、二人の乗ったコンバーチブルが走り出す。

悠斗を見送ったタケルが私に聞いた。

「楽しかった?」

私はタケルの胸に頬をくっつけたまま答えた。

「うん……。楽しかった……。けど、自分のダメなとこが嫌っていうほどわかって、辛かった……」

打ち明けると、タケルは優しく笑ってうなずいた。