タケルの緊張した顔を見ただけで、胸がいっぱいになった。

「タケル!」

私は不安を押さえつけているような顔で、じっとこっちを見ているタケルの胸に飛び込んだ。

ぶつかり稽古さながらの勢いで。

それでもタケルは私をしっかりと抱き止めてくれた。

優しいことは言わないけど、この脂肪がいっぱい詰まった体を愛してくれる。

意地悪だけど、私が拗ねた時には必ず追いかけて来てくれる。

これ以上、何を求めていたんだろう。

『腐女子のくせに』

『腐女子のくせに』

―――腐女子のくせに……。

私は自分を罵りながら、タケルにしがみついていた。