その瞬間、慎也さんは、驚いたように目を見開きながら、私と旭を見た。
そして、
「…え?弟…紗綾ちゃんの…?」
少し、戸惑ったように言葉をもらす。
「はい。2歳下の弟なんです。今、中3で…」
「…中3!?見えない…てっきり、オレと同い年ぐらいかと…あ、ゴメンね。はじめまして、麻木慎也です」
「あ…大丈夫です。よく言われるんで…」
苦笑い気味にそう呟くと、旭は、軽く肩を落とした。
背が高く、大人っぽい顔立ちの旭は、よく実年齢よりも上に見られることが多く、
特に初対面の相手には、いつも、旭が兄だと間違われる。
まぁ…本人は、結構、気にしてるみたいだけど…。