なんと、そこにいたのは、慎也さん。




「慎也さん?ビックリした…いきなり手なんか掴むから誰かと思いましたよ〜」




「……ごめん」




そうポツリと、呟いた慎也さんは、ソッと私の手首を離す。




あ、れ?なんか慎也さん元気ない?


それに、いつもより、少し慎也さんの雰囲気が違うような気がするのは私の気のせい?





慎也さんといえば、いつもニコニコして、優しいイメージなのに…今日の慎也さんは、なんだか少し慌てているというか、落ち着きがないような感じ。




「し、慎也さんも映画見にきたんですか?偶然!まさか、こんな所で会うと思ってなかったから…」




「…うん。そうだね、オレも驚いてる」




「……あはは、ですね」



「……」