「旭!チケット出してよ、チケット!」



「わかったからマジであんまし、引っ張んなって!ジュースとかこぼれるから」




ギャーギャー、そんなくだらない言い合いをしている私たち。




「大丈夫、大丈夫!旭がちゃんと持ってればいいし!」



「バカ!大丈夫ねーよ!マジで落としたらどうすんだよ!勿体ねーだろ!」




すると、




「さあやちゃん…?」




突如、聞き覚えのある声が近くから聞こえてきたかと思うと、




ガシッ




私の手首を掴んだ。



驚いて、目を見開く私は、おそるおそる私の手首を掴んだ人物を見ようと顔をあげる。





「…え、慎也…さん?」