「…誰?」 真生くんのそんな声が部屋から聞こえたかと思うと、私がいる場所に向かって足音が近づいてくる。 …どうしよう…。 私は、ゴクリと息を飲んだ。 もしかしたら、勝手に家に入ったことを怒られるかな? 一瞬、そんなことが頭をよぎった。 ……だけど、今の私にとってはそんなことより、 真生くんとキスしていた女の人になんか会いたくないよ…。 その思いだけがぐるぐると、私の心の中に渦巻いていた。