そして二人はアトラクションに向かった。

・・・

しばらく経っても、

秀と結が戻ってこない。

私に気を遣って、2人で他も回ってるのかな?

そんなことを思いながら、

温かな日差しにウトウトしかけたころだった。



…突然の着信。

ディスプレイに表示されているのは、

見知らぬ番号。

私は何も考えずそれに出た。


「・・・もしもし?」


『貴女の可愛い愛娘、結は、いただいていきます』


「・・・え?」

・・・ツー・・・ツー・・・

機械で変えられた声が、言い放ったのは、

思いもしない結の誘拐宣言だった。


私は一気に目が覚め、

立ち上がり駆け出していた。


一体何の冗談だろう。

結は、秀と一緒にいるのに。