実家に帰った私は、

結婚する前まで住んでいた自分の部屋に、

閉じこもっていた。

・・・秀は、警察署へ向かい、

色んな事を、仲間や、署長に教えている。


私は何もできないもどかしさで、

イライラした。

その間に押し寄せる不安。

結に、もしものことがあったら、どうしよう?


私の腕の中に、

冷たい結が帰ってきたらどうしよう。


自分が誘拐されるのなら構わない。

二度も誘拐された私にとって、

誘拐される事は、少し慣れてるし・・・


でも、結はまだたった5歳の小さな子供。

そんな結が、怖い思いをしていないか?

痛い思いをさせられてはいないか?

そう思うだけで、胸が張り裂けそうだった。


…繋がらないと分かっても、

遊園地で取った知らない携帯番号を

無意識に押していた。

「…結、結」