ところが起き上がれない。



見ると青白い手が、足首を掴んでいる。



「いやぁああああああ」


恵理子は必死で振り払って起き上がろうとする。


でも掴んだ手を外せない。



もう一度足元を見ると、女が恵理子の脚を登ってくる。


前髪が分かれて見えた女の口元が、笑っていた。