なぜ転んだのか分からなかった。



何にも躓いてなどいないのに……。



転んだ拍子に、友菜の携帯電話はどこかにいってしまった。



起き上がろうとして……


恵理子は初めて遮断機が降り、警報音がなっていることに気がついた。



「えっ」


すぐに起き上がって出ないと、電車に轢かれてしまう。