視界に何かが入った。



もちろん多くの人が行きかっているのだから、視界に誰も入らないなんてことはありえない。



もう一度振り返り目を凝らす。



恵理子はツバを飲み込んだ。


影山友菜は、瞬間移動こそしなかったが、ずっと着いて来ていた。



北野街道から、南平駅に向かって曲がったその姿が、少しずつ大きくなってくる。


距離にして150mといったところか。


恵理子は急いで駅のほうに走った。