「うん。持ってる」


『今どこにいるんだ?』



「南平駅に向かってる」


『うん。分かった。とにかくすぐ行く。今近くにいるから、いいな! そこでジッとしてろ!』



――雄太郎が近くにいる。


不安に押しつぶされそうだった恵理子は、嬉しくて胸が高鳴った。