もはや頼れるのは雄太郎だけだ。


こうなったら、過去のことをバラしたくないとか言っている場合ではない。



とはいえ、雄太郎は仕事に行っているだろう。



京都からは帰ってきているが、おそらく今頃は文京区にある出版社にいるはずだから、どんなに車を飛ばしても、一時間はかかるだろう。



それでも恵理子はいてもたってもいられずに、雄太郎に電話をかけた。