遠くから救急車のサイレンが聞こえてきた。


花山大吾を病院に搬送するためのものだろうが、恵理子はすでに大吾は生きていないだろうと思い、人だかりの中にすら近づかなかった。



――ゾクッ。




背筋に寒気がした。



後ろに気配を感じたのだ。



恵理子はとっさにそっちに振り返った。