「ごめんなさい」



「えっ?」


突然若菜に謝られたから、松田は驚いた。




「そりゃお友達のことを悪く言われたら、良い気はしませんよね。本当にごめんなさい」


松田が黙ったので、気を悪くしたと思ったらしい。



「いや、僕も同じように思いましたから」



「そうなんですか?」



「えぇ、神崎くんは昨日知り合ったばかりで、仲の良い友達ってわけでもありませんし……」


「そっか、なら良かった」



若菜のホッとする顔を見て、松田の胸がうずいた。