とはいえ、沙良がずっと彼氏を欲しがっていたのは知っているから、気持ちは分からないでもない。



自分だって今でこそ、恵理子のワガママぶりにはうんざりしているけれど、

知り合って、一目惚れをして、ようやく付き合ってくれるとなったときは有頂天だったから、



初デートにこぎつけたあの日に、もし友人が亡くなっていたとしても、


自分も葬式までの時間は、デートを優先しただろう。