真冬の夜明け前。


立ち止まった途端に寒さに襲われる。


急いで逃げてきたものだから、当然薄着のままだった。



これは幽霊に襲われる前に、凍死するかもしれない。












「動画……観たな」



耳元で乾いた声がして、振り向くと、目の前に青白い顔。

長い黒髪の隙間から冷たい目が見つめている。




「うわぁああああああああ」


加藤はそのまま、トラックが走ってくる車道に向かって飛び出して行った。