ケータイを捨てれば……


加藤は急いで携帯電話を歩道の植え込みに向かって投げる。



そしてそのまま走った。


行く当てなどない。




しかも女に家がバレている。


どうすればいいのか分からない。



どこに逃げれば良いのかも分からない。




しばらく走って、息が切れた加藤はハァハァと大きく呼吸をした。