喪服の用意をしてリビングに戻ると、夫がキッチンの中でトーストを焼いていた。


「アナタ……」



「食欲はないけど、何か口に入れておかないと、明日の葬式まで身体が持たないだろ」



「ええ、そうね」


まったく食欲はないけれど、夫の言うことは最もである。


無理をしてでも食べておかなければならないだろう。


「私も手伝うわ」


瑞江もキッチンの中に入り、冷蔵庫から玉子とソーセージを取ってフライパンを火にかけた。