おそらく昨夜この家に来た、恵理子か沙良か道裕のものだろう。


瑞江はそう思った。


おそらく三人ともお通夜には来てくれるだろうから、その席で返せば良いだろう。


瑞江はその携帯電話をいつも持ち歩いているカバンの中に放り込むと、

喪服の用意をする為に、クロゼットルームに向かう。



その為気がつかなかった。



携帯電話から着信メロディが鳴ったことに……。