美知の部屋の玄関のドアが開き、美知の母親が涙でくしゃくしゃの顔で出迎えてくれた。


中に入ると、明らかにいつもとは違う異様な空気が流れている。



「お邪魔します」


恵理子は小声で呟くと、靴を脱いで部屋に上がった。



「あの……美知は?」



てっきり美知の遺体があると思っていたのに、パッと見た感じ見当たらない。



「もう葬儀場のほうに……」


美知の母はハンカチで目を押さえた。