「もしもし……」


暗い声の男性の声。



「え……と、恵理子です。戸田恵理子」



「え?」



「美知の親友の戸田恵理子ですけど」



「ああ……」



「オバさんいますか?」


電話に出た相手が、おそらく美知の父親であろうと推測して、恵理子はそう言った。