「ところでさぁ」


「え?」



「神崎くん。さっきみんなが東平高校って言った時、明らかに顔色が変わったよね?」


松田が横目に、直人の顔を見る。



「そ、そんなことありませんよ」



「そう?」


「そうですよ」


直人は逃げるように先にその場を離れると、手を洗ってさっさと部屋に戻った。