翌朝、松田は言われた通り、出版社に顔をだした。


「おはようございます」


山口に声をかけると、山口は「おぅ、おはよう」と挨拶してから、


「松ちゃん、早速だけど、少年ライトの竹田ちゃんのとこに行ってよ」と言った。



少年ライトというのは、この出版社……というより日本を代表する少年向けマンガ雑誌である。


旅先を回るルポライターには、縁のない部署のように思うけれど……。


松田はそう思った。