1学期が間も無く終わりを告げようとしたころ、期末考査の結果が返却された。

私は勉強に身が入らず、数学と社会以外の点数を大幅に下げてしまった。

「辺見、一体どうしたんだ?お前らしくないぞ、この結果は。」
「…すみません。」

先生は心配しているのか、呆れているのか分からない曇った表情だった。
さらに、どこから情報が出回ったのか、クラスは私の点数が下がったことに関する侮蔑の言葉が飛び交っていた。
しかし、それよりも私は親の対応の方が辛かった。

「梓音…あなた、この点数はどういうおつもり?このままじゃあなたの行きたい高校にはとてもじゃないけど受からないわ。」
「…。」

それ以上は何も言ってこなかったが、私は何も言い返せなかった。

取り柄だった好成績すら失ってしまったところで、長い夏休みは始まった。