俺は優しくそう言って凛を抱きしめた。


「顔上げろ、凛。」


「いや。だって顔グチャグチャだもん。」


「いいから。お前の顔見ないと落ち着かない。」


「・・・」


「凛。」


凛は俺の胸にうずくめてた顔をゆっくり上げた。




《3秒でいいから目を逸らさずに凛音ちゃんを見て?》



そんな湯川の声が脳裏を通った。


3秒・・・。


俺は一度目を閉じ、ゆっくりと開いて、

凛音を見た。