ったくアイツどこ行った。


俺は少し立ち止まって息を整えた。


「・・・く・・っ・・・んっ・・・」


あ。凛の泣き声。


凛はあんまり声を出してなかない。

ましてや人前で泣いたりしないやつ。



その泣き声は赤い自動販売機のところから聞こえてきた。


ここに間違いない。ここにいれば、死角になるし、

誰にも気付かれない。


ここにいるのは凛だ。



俺は一歩ずつゆっくり凛に向かって歩き、


うずくまってすすり泣く凛の前に立った。