入学式を終えて、侑仁と話しながら教室に戻った。


「あの・・・。」


「何?」


俺は愛想を良くしようと、話しかけてきた1人の

女の子に笑顔で対応した。


「し、島崎君は、彼女とか・・・いる?」



”カノジョ”




生まれてこのかた、一回も彼女なんかできた

ことなかったかもしれない。


いや、”かも”じゃなくて”いない”。


なんでだ?何で俺は彼女を作らなかった?