「あ~、はい。あの原稿はありますか?」
先生から原稿を受け取り、一通り声に出して読んだ。
読み終わった頃にはもう入学式は始まってて、
俺たちはここで待機するように言われた。
先生の背中を見送った後、
小さく凛にデコピンを放った。
「いって」
おでこを抑えて睨む凛は最高に可愛かった。
「何で言わなかった?」
「完全に忘れてました。」
「いつきいた?」
「んっとね、中学の卒業式の終った後?」
「ばかか・・・。」
「ごめんなさい。」
「ん。」
俺はポンポンと凛の頭を撫でた後、
二人で小さな声で練習した。
・・・これ、ながすぎね?
生徒絶対寝るって。