凛に目をやると「ごめんちゃい」って顔してた。


「えーっと・・・」


「聞いてないのか?今日の入学式で、

 お前と加藤は生徒代表挨拶だぞ?」


・・・・・・・なんだそれ。


聞いてねぇぞ。


俺は凛をおもいっきり睨んだ。


でも凛は子犬のような涙目で俺を見た。


・・・・・はぁ。


いつもそう。


俺が睨んでもコイツは怯んだりしない。

むしろし返してくる。


生まれてきてから16年。

一度も凛に勝ったことはない。