その表情は見えないけれど、今もまた飄々と余裕の顔で笑っているのだろう。



生意気なガキ。

けどこの大きい背中が、彼も男なのだと伝える。



(意外と体、ガッチリしてる…)



「…、」



思えば、こうして誰かに触れることも久しぶりだ。

将吾にももう二年は触れていないし、それ以外他の誰かで心を埋めようという気持ちにもなれない。

だからこそ、その背中に言いようのない気持ちを感じてしまうのも事実で



(…って何考えてるんだか)



その心をかき消すように、より強く彼につかまった。