「うわ、折れてるじゃん。大分使い込んでたんだ」

「言われてみれば…」

「それと、足痛いからって変に重心かけてたりしたんじゃないの?結さん、ヒール苦手でしょ?」

「?何で知って…?」

「休憩室で足痛そうにしてるの何回か見たことあるから」



沖くんはそう言って折れたヒールの欠片を拾い、まじまじと見る。



「電車通勤?帰れるの?」

「大丈夫。タクシー拾うし」

「その状態で大通りまで出るの?かなりカッコ悪いよ?ダサいよ?」

「…いいわよ、じゃあ裸足で帰るから」

「待った待った」