「私のせいで、私のくだらない見栄のせいで、子供はいなくなっちゃった」
『将吾…、ごめんっ…』
『……、』
「幸いまだお腹は大きくなくて、周りの人は誰も知らなかったけど…でも、それ以来将吾は私のことを見てくれなくなっちゃった」
ぽっかりと空いた穴に、離れていく二人の距離。
「きっとね、私のことを嫌いになったの。『お前のせいで』って言いたいけど、優しいから言わないでいてくれてるの」
もし私が意地を張らずに休めていたら、その仕事を誰かに託していたら
二人の間には子供がいて、幸せな家族があって
何もかも失わずに済んだのに。