「っ…」

「?どうしたの?そんな泣くほど痛い?病院行く?」

「……」



首をぶんぶんと横に振る私に、彼はそっと手を伸ばし長い指先で涙を優しく拭う。



「ていうか結さん、痩せた?大丈夫?」

「…それ以上に、聞きたいことあるんじゃないの?」

「……」



涙で掠れた声で呟くと、その顔は一瞬固まる。

私の一言が、先日の出来事についてのことなのだと悟ったのだろう。けれど、彼は静かに首を横に振った。



「気にならないわけじゃないけど、言いたくなったら聞かせてよ」

「…?」

「俺は、結さんの言葉を信じるから」

「……」





言いたくなったら、なんて

私の言葉を信じる、なんて

ずるいよ。反則だよ。



こんな時に、そんな優しさ。