「卒業するのに大事な試験だったからさぁ、一週間バイトも休んで毎日勉強。で、今日ようやく出てこられたってわけ」
「避けてたんじゃ…なかったんだ」
「?何で?避ける理由なんてないじゃん」
呟くその表情は、嘘や言い訳ではないのであろう真っ直ぐな瞳。
「この前の別れ際、俺結さんの名前呼んだでしょ?その時言おうと思ったんだよ。『しばらく会いに行けないけど、ちゃんと会いに行くから』って」
「……」
『結さん!!』
あの時彼は私のことを問い詰めるわけではなく
ただ『また会いに行く』、それを伝えようと名前を呼んでくれていた?
その事実に、また瞳からは大粒の涙がこぼれだす。