また膝、怪我しちゃったかな。

けど、いいか。どうせどんなに完璧に仕上げたつもりの自分でも、作り物には変わりない。


ありのままの自分も、彼がいなければ表せない。



(…こんな風に失くすなら、自分の口から伝えたかった)



何を話しても、彼はうん、うん、って聞いてくれる。目を見て、言葉ひとつひとつを聞いてくれる。

それを分かっていたのに、自分の全てを話す勇気がなかった。



見栄ばかり一丁前で意気地なしの私は、こうしてまたひとつ戻らないことが増えていく。