ー…
「ちょっと!何なのこれ!不良品じゃない!」
「え?」
「今日買ったばっかりのスカート!ここに穴あいてるのよ!!」
ある日の夜、閉店直後の店内に物凄い勢いで女性が駆け込んできた。
その手には確かに昼間に売った覚えのある黒いスカート。
「穴…?失礼しますね」
スカートを手に取り見て見れば、確かにそこには何かが引っかかったような小さな穴があいてしまっている。
「大変申し訳ありません、只今同じ物と交換を…」
「いらないわよ!返金してちょうだい!」
「かしこまりました」
大分怒り心頭らしいその女性の大声は、お客のいない館内に思い切り響く。